当たり前ですが銀行員には男性も女性もいます。
今回は女性銀行員にスポットを当ててみました。
私は男性なので、女性銀行員のことについて書くために現役銀行員である妻に意見を聞きました。私は銀行を退職してますが、妻は現在も銀行でバリバリ働いてます。ちなみに年収は互角です。
20年以上、私も銀行で働いていたので女性が銀行で働く大変さはある程度理解しています。ただ全部は理解できてないかもしれません。やはり男女で感じる銀行の仕事の大変さは違うとも思っています。そもそも同じ職業なのに男女で仕事の大変さが違うと感じるくらい銀行内での男女差は大きいです。
まず、そのあたりから考察します。
銀行は女性にきつい職場
銀行員は安定した職業という印象を世間に持たれます。それは長年に渡る高い信用力が銀行にあるからです。
ただ、信用力を維持するために非常に厳しい規律があります。特に身だしなみは、ものすごくうるさいですよね。
ネイルやアクセサリーを付けることは基本的に許されませんし、化粧や髪型、ヘアカラーなど、ありとあらゆる規則があります。特に女性の場合は、髪の毛を明るくしたい人も多いと思いますが、少し明るくしただけで鬼の首を取ったかのように怒られることもあります。
規則だけではなく営業ノルマもあります。よく分からない投資信託や保険をセールスしないといけなかったり、年会費のかかるカードを推進したり、とにかく数字に厳しいのが銀行です。
ノルマだけではありません。商品を販売するための資格試験もたくさん受けなければなりません。社会人になっても、こんなに勉強するのかと思う人も多いでしょう。しかも資格や免許を取ったからといって給料がアップすることもほとんどありません。なぜならそれらの資格や免許は取得して当たり前だと銀行は考えているからです。せっかくの休みも資格取得のための勉強で台無し…、こんな経験している人も少なくないはずです。
また人間関係も非常にややこしいのが銀行です。これは私にはよく分かりませんが、妻から聞く話では銀行は女性にとって決して居心地の良い職場ではないようです。銀行は女性にとって肉体的にも精神的にもキツい職場だといつもボヤいてます。
そんな厳しい職場で働くのが辛くて辞めていく女性も多いです。だから銀行は男性の割合が多くなる、そういう印象を持つ人も多いかもしれません。
ところが金融機関で働く人の男女比を調べてみると女性の割合はかなり高いです。
銀行は女性が主役の職場
他業種と比較してみると、実は金融業は女性が働く割合が高い業種です。

厚生労働省が発表した「平成30年度雇用均等基本調査」によれば、男女別の正社員の割合において「金融業・保険業」は男性が53.3%、女性は46.7%です。つまり、職場のほぼ半数が女性です。女性の構成比が一番高い業種としては「医療・福祉」の66%ですが、それに次ぐ数値です。
「金融業・保険業」を一括にしており、単純に銀行のみのデータではありません。ただ実際に銀行で働けば分かりますが、銀行は「女性が主役の職場」です。
ただ、主役であるはずの女性銀行員のポジションはあまり良くありません。どちらかといえば事務処理要員として扱われるケースが多いのが実状です。そのためキャリアアップを図りたくても事務処理要員から抜け出せない人も多くいます。
女性の場合、結婚に妊娠・出産というライフステージがあります。福利厚生が手厚い銀行ですが、実際に正社員として復帰するのは中々難しいようです。理由は様々ですが、大きな理由は単純にキツいということではないでしょうか。銀行は肉体的にキツいだけではなく、精神的にもキツい職場です。そこに復帰するのは大変な覚悟がいります。実際、私の妻は出産を経験して復帰する際に何度も辞めるかどうかをためらっていました。
そのため多くの女性銀行員は長くても10年以内には同期がいなくなってしまうのではないでしょうか。ただ逆に考えれば同期のライバルたちが減っていくともいえます。
では、女性銀行員が長く働いた先には銀行での輝かしい将来が待っているでしょうか。その辺りを調査してみます。
女性銀行員の将来は
内閣府が上場企業の女性役員の状況を調査しています。2019年7月末時点で銀行業の平均女性役員比率は7.3%です。(「女性役員情報サイト」 内閣府 男女共同参画局調査)
資料をご覧になれば分かるように、女性役員がゼロの銀行もたくさんあります。働く人の割合は半分が女性なのに、役員になる人は10人に1人もいません。20年以上銀行で働く女性の割合も非常に低いと言われています。これは銀行という組織自体が旧態依然としているからでしょう。実際、銀行は男性社会の象徴のような業種です。
そのため女性銀行員の将来は決して明るいとはいえません。長く働くことのメリットは少ないかもしれません。
銀行からの転職を考えてみる
もし銀行で働き続けるメリットは少ないと判断したなら、転職も一つの選択肢です。ただし、あくまでも転職は自分の環境を変えるための一つの手段に過ぎません。転職すれば全てが解決するわけではありません。
ただ、このまま銀行で働き続けても自分の環境を変化させるのが難しいと考えるなら、転職を考えてみるのも一つの方法です。
もし転職を考えるなら、転職のステップについて簡単に紹介します。
転職のステップ
- 転職について検討する
- 応募する会社について検討する
- 会社でのポジション、収入について検討する
- 応募する
- 採用活動に取り組む
- 採用決定
- 退職
- 転職
おそらく、ほとんどの転職活動は上記ステップを踏んで進みます。中にはヘッドハンティングのように一気に退職→転職という場合もありますが、通常は「①転職について検討する」ところからスタートします。
「①転職を検討する」人は銀行で働き続けるかどうか、という悩みも抱えているはずです。もし、そのまま銀行で仕事を続けようと考えるならば「②応募する会社について検討する」のステップには進みません。
そのため現時点で「①転職について検討する」と「②応募する会社について検討する」に該当する方は、オススメ記事を参照ください。
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銀行自体の将来性
これは最近流行りの無人コンビニを想像してもらえば分かりやすいです。無人コンビニは顧客にとってみれば、誰にも邪魔されずスマートに買い物ができます。店は人手不足に対応できます。人手不足が深刻な小売業はすでにそのような取り組みを始めています。
ただ、無人コンビニは消費者にとって本当に魅力的でしょうか。見方によっては自動販売機と同じなので魅力の無い店と感じるかもしれません。つまりDXによって高い付加価値を提供することと、人手不足の対応として無人化することは、実は相反しています。
昔の銀行の話をします。以前の銀行は窓口での入出金や振込などの作業に忙殺されていました。しかしATMの普及によってそれらの作業量が減り、行員は付加価値の高い仕事に従事することで銀行の企業価値を向上させました。別の言い方をすれば、ATMの導入がなければ行員は入出金などの付加価値の低い作業に忙殺され続け、今よりもっとひどい状態だったかもしれません。
おそらく今の技術を持ってすれば銀行の多くの作業で人は不要になるでしょう。しかし銀行が人員や費用の削減だけにとどまれば、無人コンビニと同じく魅力の無い存在になってしまいます。いま銀行はリアル店舗でどんなサービスを顧客に提供できるのかを考える時期にきています。
その中で女性銀行員が果たす役割は非常に大きいと思います。男女で差別をしてはいけませんが、やはり女性の気遣いや心配りは男性には無い特性です。
女性特有の「気遣い」「心配り」は高い付加価値の源泉です。
女性の仕事内容を変化させるべき
女性が活躍できる、女性が主役のリアル店舗を持った銀行こそ、これから生き残る銀行です。使えない男性行員ばかりの旧来型の銀行は自然に消えていくでしょう。
私は女性活躍が銀行復活のカギと考えています。
女性銀行員の皆さんの活躍を期待しております。
この記事は次のような方に向けて書いております。 女性銀行員の給料や年収を知りたい人現在、銀行で働く女性いまから銀行への就職を考えている女性 私は約2年前に地方銀行から[…]