銀行員の皆さん、こんにちは。
今回の記事では、「銀行の組合」をテーマに取り上げます。
さらに、専従組合員と一般組合員の違いを解説していきます。
これは銀行業界と銀行の組合活動に長く携わった、筆者の独自の見解に基づいていますが、皆さんにとって参考になるかもしれません。
本記事では、銀行の組合がどのように機能しているのか、従業員にとってどのような影響があるのか、そしてこれからどうなるべきなのか、詳しく解説していきます。
銀行の組合とは
まずはじめに、銀行の組合について基本的なことを確認しましょう。
銀行の組合は、銀行の従業員が所属する労働組合のことを指します。労働組合は、従業員の権利や待遇を守るために設立される団体で、日本全国に存在します。
しかし、銀行の組合は、一般的な労働組合とは異なる特徴を持っています。
銀行の組合は、通常、銀行ごとに設立され、銀行員によって運営されています。そのため、組合の幹部は、銀行業界で働く同僚や上司と密接な関係にあります。
これは、組合の権力構造や役割に影響を与えることがあると言われています。また、組合には専従組合員と一般組合員が存在し、それぞれ異なる役割を担っています。
専従組合員と一般組合員の違い
専従組合員とは、組合活動に専念するために、通常の業務を離れた銀行員のことを指します。
彼らは組合運営に深く関与し、従業員の権利擁護や労働条件の改善に向けた活動を主導しています。
一方、一般組合員は、通常の銀行業務をこなしながら、組合活動にも参加している銀行員です。彼らは、組合の方針や活動に対して意見を述べる権利を持ち、時には組合内の選挙にも参加することができます。
専従組合員は、組合の運営に専念するため、出世や昇格につながるポジションが与えられることが多いです。このため、彼らは自らのキャリアアップのために、組合運営に全力を注ぐことがあります。しかし、このような状況が、従業員の利益を犠牲にすることにつながる場合があります。
例えば、専従組合員が組合の目的を見失い、自らの出世のために経営層との癒着を深めることがあるでしょう。その結果、組合が従業員の権利擁護や労働条件改善に対して消極的になることがあります。
このような状況は、組合が本来果たすべき役割を疑問視させることにつながり、銀行員の組合への関心が低下する原因となります。
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銀行の組合が自らの出世のために働く理由
では、なぜ銀行の組合は自らの出世のために働くのでしょうか。
これには、以下のような理由が考えられます。
- 組合幹部の出世競争
銀行業界は出世競争が激しいと言われており、組合幹部も例外ではありません。組合幹部は、組合活動を通じて自分のスキルやリーダーシップをアピールすることで、出世を目指すことがあります。その結果、従業員の利益よりも、自らのキャリアアップを優先することがあるのです。このため、組合の活動が従業員のニーズに応えられない場合があります。
- 組合と経営層の癒着
銀行の組合は、経営層との関係が密接であるため、経営層の意向に沿った活動を行うことがあります。
経営層は、組合幹部に対して出世のチャンスを提供することで、組合の方針を自分たちに有利な方向へ誘導することができます。その結果、組合は従業員の権利を犠牲にした経営方針を支持することがあるのです。
銀行の組合の問題点と改善策
銀行組合が自らの出世のために働くことが問題視される中で、組合はどのように従業員の利益を守るべきでしょうか。
ここでは、銀行組合が従業員の利益のためにできる具体的な取り組みを提案します。
問題点: 役員と組合幹部の利益が優先される
組合が自らの出世を優先することで、従業員の利益が犠牲になる場合があります。例えば、労働条件の改善や待遇の見直しが遅れることがあるでしょう。
改善策: 組合の透明性と民主性の向上
組合の活動内容や財政状況を従業員に公開し、意思決定プロセスに従業員が参加できるようにすることで、組合の透明性と民主性を高めることが求められます。
問題点: 経営層との癒着による影響力の低下
経営層と組合幹部の癒着が深まることで、組合の独立性が失われ、従業員の権利擁護が弱まる可能性があります。
改善策: 経営層との距離感の維持
組合は、経営層との適度な距離感を保ちつつ、従業員の利益を代表する立場を強化する必要があります。これには、経営層との交渉力を向上させるための研修や、独立した労働組合コンサルタントの活用が考えられます。また、組合幹部の選出方法を見直し、経営層の影響を受けにくい選出システムを構築することも重要です。
問題点: 銀行従業員の組合への関心の低さ
銀行の組合が自らの出世を優先して働くことが一般的になると、従業員は組合に対して不信感を抱くようになり、組合への参加意欲が低下します。これは、組合の力が弱まり、結果的に従業員の利益が損なわれることにつながります。
改善策: 組合活動への従業員の参加促進
従業員が組合活動に積極的に参加することが、組合の民主性や機能の向上につながります。これを実現するためには、組合活動の内容や目的を明確にし、従業員が関心を持ちやすい形で情報提供を行うことが求められます。また、組合主催の研修やイベントを充実させることで、従業員の組合への関心を喚起することが可能です。
組合活動は銀行での出世の近道?
ただ、逆に考えれば、一部の銀行員にとって、組合活動はまさに出世の近道となります。
特に専従組合員は、組合活動に専念することで組合のリーダーシップを取り、出世につながるポジションを手に入れることができることがあります。実務能力は低いが、ノリと勢いだけは良い銀行員にとって、組合活動はまさに夢の舞台とも言えるでしょう。
しかし、本来の目的を忘れてしまうと、アホでもマヌケでも専従組合員になることで出世が可能になるという風潮が生まれてしまいます。結果的に、実力が伴わないまま出世を果たす銀行員もいるのです。
彼らは、ノリがいいだけで実力がないため経営層の言いなりになってしまい、組合全体の利益よりも自らの出世を優先してしまう傾向があります。
そして、組合の真の目的である従業員の福利厚生や労働条件改善がおざなりになってしまうことがあります。
まとめ
本記事では、「銀行の組合は自らの出世のため、従業員のためではない」というテーマについて解説しました。
また、専従組合員と一般組合員の違いについても説明しました。
銀行の組合が自らの出世を優先することが問題視される中で、組合が従業員の利益を守るためにできる具体的な取り組みについて提案しました。
銀行員の皆さんにとって、組合は大切な働く環境を守る役割を担っています。しかし、組合が従業員の利益を犠牲にして自らの出世を追求することがあることも理解し、組合のあり方や活動に対して批判的な視点を持つことが重要です。従業員一人ひとりが、組合活動に積極的に関与し、自らの声を上げることで、組合が本来果たすべき役割を取り戻すことができるでしょう。
最後に、この記事が銀行員の皆さんにとって有益な情報提供ができたことを願っています。
銀行業界が抱える問題や課題に対して、皆さんが自らの意識や行動を変えるきっかけとなれば幸いです。
今後も銀行員の皆さんの働く環境がより良くなることを願って、様々な情報や意見を発信していきたいと思います。