「コンサルティング」は「現状と理想のギャップを埋めること」です。
ギャップを埋めるためには、現状と理想を把握しなければいけません。
ただ、ここで間違っていけないことがあります。
それは「課題と問題」を履き違えることです。
現役の企業内コンサルタントで元銀行員の私が、成功するコンサルティング営業についてお伝えします。
コンサルティングの基本「課題と問題」とは?
課題と問題の違いは皆さん分かるでしょうか。
言葉は似ていますが、コンサルティングの世界では課題と問題は区分して考えます。
簡単に解説します。
課題は「現状と理想のギャップ」です。
問題は「当たり前に出来ないといけないことが、出来てないこと」です。
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発生型の「問題」と設定型の「課題」について
課題と問題の違いを分かりやすく説明する図を作りました。
この図は、先日インターンの学生向けに説明した資料です。学生向けに簡単に私が作った資料ですが、コンサルに興味がある初心者に分かりやすいと評判だったので、この記事で使用します。
ギャップには2種類ある
現状と理想のギャップを埋めるのがコンサルですが、ギャップは2種類あります。
理想の姿に近づくためのギャップと、
今のあるべき姿に近づくためのギャップです。
設定型のギャップはポジティブ 発生型のギャップはネガティブ
図を見ていただけば分かりやすいとは思いますが、言葉で説明すれば次のとおりです。
銀行のコンサルティング営業は「課題と問題」を勘違いしている
顧客の中には「今のあるべき姿」がひどい状態になっていることがあります。
ひどい状態とは「当たり前のことが出来ていない状態」です。
■ 飲食業で、お客さま用のテーブルがいつも汚れている。
■ 食品製造業で、工場の衛生管理ができていない。
■ スーパーで、品切れが多い。
■ 建設業で、現場監督の不在が続く。 など
銀行は問題を課題と勘違いして失敗する
私の感覚では、銀行のコンサルティングはあるべき姿に戻すだけのものがほとんどです。
これはネガティブな状態を元に戻すで、銀行の手を借りる必要はありません。
ようは自分たちで修正できる、もしくは自分たちで修正すべきものです。
元に戻すだけで銀行がコンサルティングの報酬を要求しても、顧客は払いたいとは思いません。
なぜなら、銀行が当たり前にやるべきことだからです。
まさに「銀行のあるべき姿」です。業績不振の経営改善や破綻懸念先の再生と一緒です。
そのため銀行が経営改善指導に対するコンサルティングの報酬を求めても、なぜ払わないといけないのかと顧客は不満に思います。
銀行は問題と課題を勘違いしてしまい、コンサルティング営業に失敗しています。
銀行のいまのコンサルティング営業は、単なるお節介になっています。
これについては関連記事を参照ください。
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銀行がコンサルティング営業を成功させるには
もし、本気で銀行がコンサルティング営業を推進するのであれば、課題と問題を間違ってはいけません。
顧客が求めているのは、理想の姿に近づくための方法です。
銀行は顧客のあるべき姿を見極める
銀行が最初にすべきことは「今のあるべき姿」を把握することです。
顧客があるべき姿になっていないなら、これまで通り無料でアドバイスだけしましょう。
報酬を求めるのは早すぎます。
銀行はとにかく顧客の理想の姿を追求する
銀行で本気でコンサルティング営業をするなら
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銀行のコンサルティング営業はポジティブであるべき
簡単に銀行のコンサルティング営業を成功させる手順をお伝えしました。
銀行に限らず、コンサルティング営業を成功させるポイントは2つです。
2.設定型の課題解決は一緒に考えて提案する
最近の銀行はコンサルティング機能を強化すると盛んに言っています。ということは、銀行には元々コンサル機能はなかったのでしょうか。銀行とコンサル会社は何が違うのでしょうか。現役の企業内コンサルタントが簡単に解説します。[site[…]