株式市場における地方銀行の評価は厳しいです。

そこで地方銀行のPBR(株価純資産倍率)を調査してみました。

調査してみると驚くことがわかりました。

今回は地銀の株価についての考察です。

PBR(株価純資産倍率)とは

PBRは株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているかを示す投資指標です。

投資の世界では現在の株価が企業の資産価値(清算価値)に対して割高か割安かを判断する目安として利用されています。

PBRの数値は、低いほうが割安と判断されます。

 

1.0倍が貸借対照表を基にした理論的な清算価値です。

会社が倒産して資産と負債を清算した場合でも株主は損も得もしないということです。

1.0倍未満の株価というのは清算した価値の方が今の株価より高いということです。

つまりPBR1.0倍未満の企業は倒産して清算してもらったほうが株主としてはありがたいという状態です。

PBRが1.0倍以上というのは、清算されるよりは将来に期待が持てるということです。

地銀のPBRランキング

では、上場地銀77行のPBRをみてみましょう。

なお、今回のPBRは地銀の前期決算時点(2021年3月末)の株価で判定しております。

また自己株は控除後でPBR倍率を算定しております。

上場地銀のPBRワーストランキング(1位〜10位)

地銀 PBRランキング ワースト10

ワースト1位の千葉興業銀行は、メガバンクの一つ「みずほフィナンシャルグループ」のみずほ銀行の持分法適用会社です。

決算期末のPBRは0.1倍と散々です。

一刻も早く倒産して精算してくれたほうがいいレベルです。

ワースト2位の宮崎太陽銀行も0.11倍、ワースト3位の高知銀行も0.12倍と、10位の南日本銀行までPBR0.1倍台の数値です。

またワースト2位から10位までの9行のうち山梨中央銀行と筑波銀行を除く7行は「第二地方銀行協会」の加盟行です。

ワーストランキング上位の地方銀行は市場から全く評価されておらず、将来性がないと判断されていると考えます。

ちなみに現時点(2021年8月時点)でワースト1位の千葉興業銀行の株価は260円前後と、決算時点より低迷してます。

上場地銀のPBRワーストランキング(11位〜20位)

地銀 PBRランキング ワースト11〜20

ワースト11位から20位までも、やはり0.1倍から0.2倍の非常に低い数値です。

東北地方の地銀再編によって生まれた「じもとホールディングス」や三重県内で経営統合された「三十三フィナンシャルグループ」など、再編によって生まれ変わろうとしている地銀に対する市場の評価も、かなり厳しい見方のようです。

上場地銀のPBRワーストランキング(22位〜40位)

地銀 PBRランキング ワースト22〜40

ワースト40位でもPBRは0.23倍。

純資産の1/4も株式価値がない、という状況です。

上場地銀のPBRワーストランキング(43位〜60位)

地銀 PBRランキング ワースト43〜60

ワースト60とはいっても上場している地銀は77行なので、いってみれば株式価値としては地銀上位行です。

それでもPBRは0.31倍程度。

いかに地銀の将来性に対する期待が薄いかがよくわかります。

上場地銀のPBRワーストランキング(62位〜77位)

地銀 PBRランキング ワースト43〜60

PBRランキング上位になると、静岡銀行や横浜銀行(コンコルディア・ホールディングス)、福岡銀行などが出てきます。

しかし、それでもPBRは0.4〜0.5倍程度です。

つまり、地銀の中でも優良行といわれる銀行でさえPBRは1.0倍どころか、半分の価値くらいしか市場で評価されていないのです。

ちなみにSBIが2019年9月、最初に出資した島根銀行だが、資本業務提携前のPBRは0.21倍。

それが0.34倍にまで改善しました。ただ、それでも0.34倍です。

上場地銀のPBRは全て1.0倍未満という現実

調査の結果、上場地銀のPBRは全て1.0倍未満でした。

しかも0.1〜0.5倍と異様な数値です。

しかし地銀は倒産しません。

また買収もなかなかされません。

本当に不思議です。

こんなに株価が低迷しているなら、本来は市場から退場して然るべきです。

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