入行から3ヶ月で銀行員を辞めたいあなたへ ー元銀行員の話ー

希望を持って銀行に就職したけど、理想と現実のギャップに悩まされる人は多いです。

結果的に退職してしまう人も少なくありません。

私が銀行員だったときも、3ヶ月で辞めた同期もいますし、新入行員研修を受けてから1度も支店に来ずに退職した人もいました。

まだ銀行員としての仕事らしい仕事はしていなくても「辞めたい」と思うのはなぜでしょうか。

たった3ヶ月で退職することはできるのでしょうか

今回は、そんな思い悩むあなたへ約20年も銀行で働いた元銀行員からのメッセージです。

 

この記事は次のような人が読むのに適してます。

  • 銀行員を辞めたい人
  • 銀行への就職を考えている人
  • 自分の周りで銀行を辞めたいという人がいる方

 

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若者が仕事を辞めたい理由

まず、いまの仕事を辞めたい理由について考えてみます。

特に若い人が辞めたい理由はなんでしょうか。

厚生労働省が2020年10月30日に公表した調査(令和2年上半期雇用動向調査結果の概況)から検証してみます。

新卒の離職率

調査によれば、男女とも24歳以下までの離職率が他の年代と比べて非常に高いことが分かります。

つまり新卒(高校卒・大学卒)の方ほど、仕事を辞めているということです。

出典:令和2年上半期雇用動向調査結果の概況 から抜粋

若者の辞めたい理由

調査では24歳以下の男性は「その他の理由(出向等を含む)」 を除けば、「給料等収入が少なかった」の割合が高いです。

一方、24歳以下の女性は「その他の理由(出向等を含む)」を除くと、19歳以下で「定年・契約期間の満了」が19.2%と高く、20歳〜24歳以下の女性では 「労働時間、休日等の労働条件が 悪かった」が20.5%です。 

出典:令和2年上半期雇用動向調査結果の概況 から抜粋

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銀行を辞めたい理由

では、銀行員の場合も辞めたい理由が「給料等収入が少なかった」や「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」なんでしょうか?

業種別の統計データなどが無いので実態は不明です。

しかし、銀行の給与水準は低いとはいえません。

また、年間休日も平均年間休日は120.4日と他業種に比べて多いです。

有給休暇の取得状況も悪くありません。

それなら、いったい何が原因で若い人は銀行を辞めていくのでしょうか

出典:平成31年_就労条件総合調査 労働時間制度 データを加工

 

出典:令和2年就労条件総合調査 から抜粋

銀行を辞めたい理由は3つある

私が考える銀行をやめたい理由は大きく3つです。

1. 人間関係
2. キャリア形成
3. 休める日は少ない

1. 人間関係

学生時代の人間関係は、基本的に同世代で価値観の近い人とだけ付き合えばよかったはずです。

価値観が違えば、あえて近づく必要はありません。

しかし、社会人になれば「人間関係」は一変します。

社会人になると様々な世代や価値観が違う人と付き合わなければいけません。

自分が社長でもない限り、社会人は仕事をしていく上で自分で付き合う人は選べません

嫌でも気の合わない人と接点を持たなければいけません。

なぜなら銀行の仕事は組織で取り組むからです。

一人で完結する仕事は銀行にはありません。

価値観が違う多くの人と交わることを煩わしいと感じる人は少なからずいるでしょう。

これは銀行に限りません。

企業に勤めるならば、嫌な奴でも関わらなければいけません。

しかし、学生時代に人間関係を気の合う仲間ばかりしか付き合ってこなかった人は、そういった行動に慣れていません。

そのため、遅かれ早かれ辞めていくのではないでしょうか。

2. キャリア形成

銀行への就職活動で多くの学生は「入行後どのような仕事に携わりたいか」といった質問をされたのではないでしょうか。

そこで教科書どおりの答えしか用意していなかったような人は辞めていくように感じます。

つまり、本当に自分のキャリアを真剣に考えていない方です。

キャリアとは、人生設計と連動します。

自分が10年経ったらどういう人になりたいか、そのイメージを描けない人はおそらく銀行には向いていません

なぜなら、新入行員の仕事ははっきりいって退屈です。

いったい、なんのためにこんなことをしているのかと感じることが多いです。

将来像をイメージできている人は、退屈な仕事でも我慢できます

しかし、どういう人物を目指すか明確でない人は、退屈な仕事に価値を見い出せません。

おそらく「こんなムダなことをやってなんになるのか」と思い悩むはずです。

本当は、そのムダなことが銀行にとって重要な仕事であることが多いのですが、理想像がない人にはただの作業でしょう。

だから、特に理想がなくても「キャリアアップを図りたい」と訳のわからない理由で、銀行を辞めたくなります。

あえて厳しいことをいえば、そういう人はキャリアップはいつまで経ってもできないでしょう。

本当にキャリアアップを図りたいなら、しっかりとしたビジョンを持って辞めるべきです。

3. 休める日は少ない

銀行は「休日は多い」と前述しましたが、実態はそこまで多くありません。

一応、休日ではあるのですが、資格試験の勉強やセミナーに参加することも多くあります。

また、取引先や上司との接待ゴルフ、地域の行事参加など、「休日=休み」ではない場合もしばしばあります。

新入行員の頃は、いくら簡単な仕事でも平日はクタクタになります

それなのに休日にも勉強しないといけない、行事にも参加しないといけない、やったこともないゴルフに連れて行かされるなど、休むときがありません

学生時代と全く環境が違うので、休日も休んだ気にならないことも多いでしょう。

銀行員は休日は多いけど、休める日は少ない、というのが実態ではないでしょうか。

そういった労働環境に嫌気が差して銀行を辞めたいと思う人は多いのではないでしょうか。

銀行を辞めたいが3ヶ月で退職出来るのか

銀行を辞めたくても、たった3ヶ月で退職なんて出来るのか、と思い悩む人は多いでしょう。

せっかく苦労して入ったのにもったいないと思う人も多いかもしれません。

一応、結論として、3ヶ月で銀行を辞めることは可能です。

民法では2週間で銀行を辞めてもよい

民法第627条1項には「雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」と明記されています。

つまり、2週間前までには退職の意思を伝えれば、銀行を辞めることは可能です。

出典:民法第627条1項 | e-gov

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

就業規則

しかし、民法に明記されているからといっても、実際に2週間で銀行を辞めることは難しいです。

なぜなら、銀行では就業規則というものに別途ルールが定められていることが大半です。

就業規則は銀行によって異なります。
おそらく、退職希望日の1ヶ月前に退職の意思を伝えなければいけない、といったルールが存在するはずです。
本当に退職を考えている人は就業規則を確認してください。

銀行を辞めたいのに辞めさせてくれない

元銀行員の私の経験上の話です。

銀行は退職したい人を引き止めます。

上司は必ず引き止めます。

特に若い人ならなおさらです。

「辞めろ辞めろ」とは絶対に言いません。

もちろん、退職したい本人のことを思って引き止める上司もいますが、ほとんどは自分の保身です。

自分の部下が退職すると人事考課に影響します

原因が何であれ、それは上司の責任にされることが多いです。

そのため、なかなか辞めさせてくれないということもあります。

そこで気持ちが変わって「銀行で頑張ろう」と思えばいいですが、やっぱり辞めたいと思うなら労働者の権利ですから、しっかりと意思を伝えましょう。

それでも退職できそうにないときは退職代行サービスなどを利用するのも一つの手です。

退職代行とは、本人に代わって弁護士や代行業者が銀行に退職の意思を伝えるサービスです。

面と向かって支店長や上司に伝えにくい、という方にもぴったりです。

「3ヶ月で銀行員を辞めたい」は甘えなのか

おそらく、短期間で辞めたいと思う人の多くはこんな心配をしているのではないでしょうか。

わずかな期間で退職するなんて社会人生活を甘くみるな、と周囲に言われるのではないか

すごく分かります。

ただ、働いた期間は関係ありません。

20年近く、銀行で働いた私も「ここまで面倒をみて育ててもらったのに銀行を辞めるのか」ということも言われました。

つまり、長く働こうが、短期間だろうが、周りから何かは言われます

そして、退職するかどうか悩むはずです。

もし本当に退職したいなら、必要なのは、周りからどう思われても気にしない覚悟だけです。

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