決算書の見方 銀行員は損益ではなくCFを見よう

あなたの銀行にいませんか。

業績不振の取引先に対して

「売上が伸びていませんね」

「人件費がかかりすぎてますね」

「この利益だと、次の借入は厳しいですね」

など、決算書を見て判断する銀行員。

私も昔はそうでした。

典型的な銀行員は「損益計算書」で取引先を判断します。

経営分析の手法として間違ってはいませんが、それだけで判断していたら、せっかくの伸びる企業を取り逃してしまうかもしれません。

取引先の実態はCF(キャッシュフロー)だけ見ればよい

銀行員なら理解していると思いますが、損益は操作できます。

会計のやり方次第で、売上も利益も操作が可能です。

銀行員はPL(損益計算書)よりもCF(キャッシュフロー)を意識しましょう。

CFを確認すれば、その企業が健全かどうかは一目瞭然です。

企業は業績が悪化すれば、売上や利益を捻出します。

つまり「粉飾決算」です。

しかし唯一粉飾などの操作ができないのがCF(キャッシュフロー)です。

 

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CF(キャッシュフロー)とは

CF(キャッシュフロー)とは、「現預金がどれくらい増減したのか」を表します。

CFには「営業CF」「投資CF」「財務CF」の3つあります。

CFは入出金など現預金の動きを記録するので、企業の動きが如実に表れます。

CF(キャッシュフロー)とは
▶現預金がどれくらい増減したのかを表す
▶CFは「営業CF」「投資CF」「財務CF」の3種類ある

営業CFとは

営業活動によって増減した現預金のことです。

営業CFは本業の現金の収支を表しています。

そのため、3つのCFの中で最も重要です。

投資CFとは

投資活動によって増減した現預金のことです。

投資活動とは将来を考えての投資という意味です。

たとえば、工場や店舗の新設などの設備投資です。また固定資産の売却なども投資活動です。

将来に向けて、規模の拡大や効率化を図る目的の投資なので、通常は支出の方が多くなります。

成長する企業の場合、投資CFはマイナスが理想です。

逆に投資CFがプラスということは、事業縮小の可能性があります。

財務CF

金融機関などからの資金調達や、借入金の返済に伴う現預金の増減を表します。

財務CFと投資CFを確認すれば将来の戦略が見えてきます。

CFを見れば、取引先の実態は分かる

3種類のCFのプラスとマイナスの組み合わせで、取引先の実態が分かります

次の表に簡単に取引先のタイプを記載しました。

安定的な成長が期待できる「健全型」

営業CFがプラス、投資CFと財務CFがマイナスは理想的な形です。

営業CFがプラスは本業でしっかりと利益を出し、投資CFがマイナスは設備投資などへの先行投資を行っている証拠です。

安定的な成長が見込める取引先といえます。

事業拡大中の「積極型」

「健全型」との違いは財務CFがプラスの点です。

銀行などから資金調達を行ってまで、投資していることが推測されるので、事業拡大を目指している取引先です。

現状維持の「安定型」

すべてのCFがプラスなので、現預金は大きく増加しています。

投資CFがプラスということは、資産の売却などを行っている可能性が高いです。

不採算店舗や遊休不動産を処分するなど、万が一に備えて現預金を蓄えているともいえます。

財務CFもプラスなので資金調達を行っているにも関わらず投資しないということは、現状維持方針の可能性が高いです。

財務体質改善中の「改善型」

営業CFがプラスでも、投資CFもプラスのため資産売却などを進めていることが考えられます。

また財務CFがマイナスということは借入金など有利子負債を積極的に返済しています。

本業は儲かっているが、資産売却して負債を減らすというパターンは財務体質改善を図る先の特徴です。

先行投資の「ベンチャー型」

本業は儲かっていないが、将来の収益のために積極的な資金調達(財務CFプラス)と、先行投資(投資CFがマイナス)を行っています。

これはベンチャー企業の特徴です。

キャッシュを補填する「リストラ型」

営業CFがマイナスなので、本業で稼げていません。

ただ財務CFもマイナスということは負債の返済は進んでいます。

返済原資として資産売却を進めていると考えられます(投資CFがプラス)。

負債の返済分を資産売却などによって補填している状況なので、リストラ中ということです。

再構築を図る「事業見直し型」

営業CFがマイナスなので本業は赤字が推測されます。

銀行からの借入など資金調達もできなかったのか、財務CFもマイナス。

投資CFがマイナスということは、先行投資を行っている可能性が高いです。

本業が儲からず、手元資金で負債を減らし投資までするということは、事業再構築を図っているといえます。

どこまで支援してもらえるか不明の「救済型」

営業CFがマイナスなので赤字と推測できます。

資産売却や、銀行などからの借入金で赤字を補填していると考えられます。

売却できる資産が無くなり、銀行などからの借入金がストップすれば倒産してしまう可能性が高いです。

タイプによって、どのように提案すればいいかを考える

3つのCF(キャッシュフロー)を把握できれば、どのような提案をすればよいか分かります。

タイプ別に分けてどのような提案ができるかを考えてみましょう。

闇雲に「お願いセールス」するよりも効率的な営業が行えます。

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