銀行員の転職を考える なぜ45歳で地銀から一般企業に転職?

先日、サントリーの新浪社長が「45歳定年制」を唱え、波紋を広げました。

従来、45歳といえば「働き盛り」といわれた年代です。

その「働き盛り」の年齢で、これまで勤めてきた会社を辞めないといけない。

これは中々の衝撃的な発言です。

流動性に乏しいといわれる日本の労働市場に一石を投じました。

また、愛知県の地銀の一つ、中京銀行が45歳以上の総合職と全年齢の一般職を対象に希望退職を募集しました。

結果的に制度の利用者は150人になると発表してます。

これは全行員の15%弱にあたるそうです。

なぜ「45歳」という年齢が基準になるのでしょうか。

そこで今回は、45歳で銀行から転職した私の経験を踏まえて「銀行員の転職を考える」をテーマにします。

銀行からの転職を意識し始める

私は45歳で地方銀行を退職し、上場企業へ転職しました。

転職後、年収は少し下がりましたが、生活レベルを下げるほどではありません。

45歳で銀行を辞めた理由はいくつかあります。

1. 家族が病気になり転勤できなくなり出世も止まった
2. 50歳を過ぎると年収がかなり下がると理解した
3. 将来の出向先も魅力的な企業が少なかった
4. 出向では自分がやりたい仕事はできないと思った
5. 地方銀行の将来性が不安だった
他にも色々とありますが、要は「将来がある程度見えた」ことが理由です。
もちろん、将来のことなんて正確なことは誰にも分かりません。
しかし予測はできます。
銀行員であれば、個人顧客の生活設計や取引企業の事業計画などを立てた経験があると思います。
それと一緒です。
自分の将来の計画を作成してみたら、50歳を過ぎたら「銀行は面白くなさそうだな」と感じたのです。
40歳前後の頃です。
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40歳前後で銀行を辞めたくなる理由

銀行員で40歳前後といえば、早く出世した人は支店長などになる年齢です。

私もそのようなポジションになり、「銀行で頑張ろう」と決意を新たにしました。

しかし、ふと気付くと20代〜30代の若手がどんどん銀行を辞めていました

若手がいないので営業人員が足りません。

また新卒採用も控えていたので、どこも人手が足りない状況でした。

そのため支店長とはいえ、営業マンの一人としてノルマをこなさなくてはいけません

支店長といえば、本来は営業店の戦略を考えたり、部下の育成を考えたり…。

しかし、そのようなマネジメント業務は中々できず、ただひたすら数字に追われる日々

そのとき思いました。

「あれ、このままでは、いつまで経っても同じ環境じゃないか?」

つまり、若手がどんどん辞めて、採用も控えていれば、銀行のビジネスモデルが変わらない限り、自分は定年までノルマを追いかける営業マンの仕事しか出来ないんじゃないか?と気づいたのです。

年収

しかし、簡単に銀行を辞める気にはなれません

なぜなら年収が高いからです。

転職先の情報などを見ても、自分と同じくらいの収入がもらえるような企業はほとんどありません。

特に地方銀行であれば、なおさらです。

地方には高年収の転職先は非常に少ないです。

しかし、そのときにやはり思いました。

「でも役員になれなかったら55歳前後で銀行から出向するんだよな。出向先が地方にそんなにあるのか?」

40歳前後で銀行を辞めたくなる理由

地銀の出向先はおそらくほぼ中小企業です。

もちろん中小企業でも素晴らしい企業は多いですが、出向先で銀行員に何ができるでしょうか

銀行との繋がりを保つだけの役割でしょうか。

もしくは、やったこともない経理や総務の仕事を任されて出向先から「全然役に立たないね」というレッテルを貼られるかもしれません。

ならば出向先を選ぶよりも、自分で仕事を選ぶほうがよいのでは?と考えるようになりました。

年収

銀行の場合、50歳前後で職位定年になります。

肩書は変わらなくても収入が激減します。

またキャリアアップも難しくなります。

いまや人生100年時代といわれているのに50歳前後でキャリアの終焉が見えてしまうのは、よく考えれば恐ろしいことです。

そして私は40歳に転職を意識し始めました

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出向

以前から日本の定年制度については様々な議論がありました。

技術革新は年々進み、もはや数十年前に習得した知識や資格、スキルなどは全く役に立たない時代です。

そこで私はとりあえず自分のスキルを棚卸ししてみました。

すると意外なことに気づきました。

銀行で学んだ知識やスキルは銀行でしか役に立たない、ということでした。

一般企業などで本当に役に立つかどうか分からないものばかりです。

会計知識はあっても、財務諸表を作成できるかといえば、おそらく出来ません。

財務分析する能力が、どこで役に立つのかも分かりません。

保険や投信を販売することができても、転職先は銀行と同じような金融機関だけです。

それでは結局、営業ノルマの地獄からは逃れられません。

では、どうすればよいか。

自分のキャリアプランを変えたいなら「学び直す」、それしかありませんでした。

職位定年

冒頭のサントリーが唱えた「45歳定年制」もこの考え方に近いのではないか、と思います。

もし、過去の経験や知識で定年まで仕事をしようとあなたが思っているなら、これまでと同じ仕事しか与えられません。

最悪のパターンは、技術革新によって、その仕事は不要となり、あなたは会社にとって迷惑な存在になることです。

自分が年齢を重ねると同時に世界は恐ろしいほど変化している、ということを認識すべきです。

もし、より高度な仕事に就きたいのであれば、それに備えるべきでしょう。

40歳といえば、まだまだ学習し知識を吸収できる年齢です。

そこで私はコンサルティング系の資格の勉強を始めました。

なぜコンサルかといえば、浅はかかもしれませんが、「AIに代替されない職業」の一つだったからです。

ちなみに銀行員(主に融資担当)は「将来なくなる職業」でした。

PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

人工知能が人間の能力を上回り、多くの仕事が奪われる可能性が出てきた。一体、われわれ人間にしかできない仕事、役割とは何なの…

マネー現代

たとえばバーテンダーの仕事。これがコンピューターに代わられる確率は77%—。そんな大胆予測を披露した論文が全世界で話題だ…

そのため、私はコンサル系の学習に励み、40歳以降に様々なコンサル系の資格を取得しました。

そして45歳で銀行から転職しました。

今は自分がやりたかった仕事に就け、無理難題なノルマを与えられて苦しむこともなく幸せな日々を過ごしてます。

ただ、私は幸運だったのかもしれません。

たまたま私が望む職種の募集があり、しかも上場企業のマネージャーのポストという、転職先としては非常に恵まれたものでした。

学び直さなければ転職できない

45歳定年制を考えるとき、多くの人は「45歳で会社を退職して、それ以降はどうすればいいんだ」という不安があるでしょう。

しかし、45歳で退職できるのはチャンスと捉えるべきです。

これまでと違った世界を見られるかもしれないというチャンスです。

ここで重要なのは40~45歳で安心して転職できる環境が整備されているかどうかです。

ご存知のように、大企業はデジタル戦略などで中途採用を増やしてます。

すでに新卒を一括採用し、長期にわたって人材を育てる日本の雇用は崩れつつあります。

「ジョブ型」雇用で専門性を求めるニーズは以前よりもだいぶ強まっています

ということは「何でもやります銀行員」は不要な人材かもしれません。

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銀行員が過去の経験や知識で生きるのは危険

もし銀行からの転職を目指すなら、銀行内で習得した知識に頼るべきではありません

本来のあなたの「強み」を活かすことを考えるべきです。

いま、誰かに「あなたの強みは何ですか」と聞かれて答えられるでしょうか。

もし答えられないなら、すぐに「強み」を発見し、伸ばすことを優先してください

私は、コンサルを学習していく中で自分の強みは「ストーリーを描ける」ことだと知りました。

いわゆる「仮説思考」です。

きっと、あなたにもあるはずです。

強みを知る方法は別記事で解説しております。

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銀行員もジョブ型雇用を目指せ

銀行員が、今よりも良い待遇を求めるなら、絶対に「学び直し」に取り組むべきです。

能力が向上すれば労働市場での価値が高まります

転職にこだわらなくても、活躍の機会は広がります。

年齢に関係なく学習し続ける、これは人生100年において重要です。

銀行も不要な人材や余剰人員が増えているのであれば「一時休暇制度」などを設け、大学院などで学べるよう検討してはどうでしょうか。

働く方も、働かせている方も、嫌々働いている環境は収益を生みません。

日本は人口減少が進んでいます。

働く人が減るのは間違いないのです。

それなのに、一部の企業だけが優秀な人材を囲むことが本当に正しいでしょうか。

もし金融機関が本当に日本や地域のことを考えているなら、もっと雇用の流動化を促す手伝いをすべきです。

優秀な人材を囲むのではなく育成して世に放つ、それも金融機関の役割ではないでしょうか。

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