銀行とコンサルの違いについて

最近の銀行はコンサルティング機能を強化すると盛んに言っています。

ということは、銀行には元々コンサル機能はなかったのでしょうか。

銀行とコンサル会社は何が違うのでしょうか。

現役の企業内コンサルタントが簡単に解説します。

銀行とコンサルの違い 

銀行とコンサル会社は似ているようですが全く違います。

両者には求められる機能や役割が違います。

銀行  … 顧客の課題解決を図るための資金を融通する
コンサル… 顧客の課題を解決する
銀行に求められている機能は、「課題解決のための資金の融通」です。
対してコンサルに求められている機能は「課題解決策の提案」です。

銀行に求められる能力

銀行は解決策の善し悪しを判断します。もし解決策に資金が必要なら資金を貸し付けます。解決策は顧客が考えます。

そのため銀行に求められる能力は判断力です。もし判断が間違っていれば、貸したお金が戻ってこなくなるので時間をかけて慎重に判断します。判断する材料は主に決算書などの財務諸表ですが、現場(工場や店舗など)を見ることもあります。

 

コンサルの役割

コンサルは顧客の題解を把握し、解決策を一緒に考えます。

そのためコンサルに求められるのは提案力です。また提案するためには課題を把握しなければいけません。課題を見つける能力も必要です。これらは企業内に入り込まなければ分からないこともあり、決算書などの資料だけでは良い提案が出来ないこともあります。そのため財務諸表以外の資料、例えば人事関係や営業データなども確認します。

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銀行のコンサルティング機能強化について

なぜ銀行がコンサルティング機能を強化したいかといえば、コンサルティングには報酬が発生するからです。

これまで銀行は企業が考えてきた解決策の判断だけでしたが、一緒に解決策を考えることで報酬と貸出金の両方を得たいということです。

もちろん、これまでも銀行は企業と一緒に課題解決を図ってます。ただ、その多くは再生先や経営改善先であり、報酬を得るというよりも貸したお金を回収する意味合いが強かったのです。

しかし、昨今の日銀の低金利政策や、競争激化、地方経済の疲弊なども相まって銀行の収益は悪化しています。優良先に対する提案で報酬を得たいと考えるのは当然かもしれません。

銀行にコンサル業務はできるのか

銀行が課題解決を提案できるかというと、私の考えとしては正直難しいのではないかと思っています。

理由は次の3点です。

1. 銀行は提案能力を育てていない
2. 銀行は顧客に入り込むことが難しい
3. 顧客は銀行からの提案は無料と思っている 

銀行は提案能力を育てていない

これまで銀行は行員に求める基本的な能力は与信判断能力と考えていました。そうなると、銀行では提案能力はおろか、課題を見つけることさえも難しいかもしれません。

銀行は提案能力を育てていない

銀行は異動の多い業種です。また一人の担当者が抱える取引先も多数あります。コンサルの基本は顧客の課題を見つけることから始まりますが、課題を見つけるためには顧客のことをよく知る必要があります。それには時間が必要です。数年で担当者が変わる銀行の場合、深く分析することは難しいかもしれません。

銀行は顧客に入り込むことが難しい

基本的にコンサルには報酬が発生します。そのため課題解決を図る提案が出来れば本来は報酬を頂くべきです。しかし顧客からしてみれば銀行には貸付に対する利息を支払うので、別途報酬を支払うことに納得いかない人も多いのではないでしょうか。

顧客は銀行からの提案は無料と思っている

もしコンサル業務が銀行にとって儲かるビジネスと考えているなら、それは間違いかもしれません。たしかに報酬は高額な場合もありますが、それはよっぽど優秀なコンサルの場合だけです。しかも課題の把握から解決まで論理的なストーリーで構成された提案書です。それくらいのレベルの提案を銀行が作成できるかというと、大変難しいように思います。

「コンサルさせてください」とお願いセールスしてくる銀行があります。そもそもコンサルを勘違いしていますし、そんなところに頼むとロクな提案は出てきません。できれば銀行には「お願いされる」コンサルになってもらいたいですね。

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もしコンサルに興味を持っている銀行員なら、分かりやすい書籍などでコンサルについて学んでみてはいかがでしょうか。

銀行のコンサルは「お願いセールス」

銀行とコンサル会社は、持っている機能や求められる役割が全く違うことは分かって頂けたでしょうか。

なぜ似ているように思うかといえば、銀行もコンサルも顧客を分析するからです。分析するのは一緒ですが、何のために分析するかが違うということです。

銀行は「顧客に貸したお金が返ってくるかどうか」のために顧客を分析します。

コンサルは「顧客の課題は何で、どのように解決するか」のために顧客を分析します。

似ているようですが実は全然違うのです。

それにしても最近は銀行のコンサルティング営業というのが本当に盛んです。それほど銀行は収益改善に困っているということかもしれません。

私としてはコンサル業務を充実してもらうよりも、スピード感のある判断能力を持ってもらう方が銀行にとって良いのでは?と考えます。

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