近年の銀行業界は、日銀のマイナス金利政策やメガバンクの人員削減、地方銀行の統合など、未曾有の転換期を迎えています。
人手不足も進行する中で、どのように「AI時代」を生き残るのでしょうか。
40代で上場企業の経営戦略マネージャーに転職した元銀行員兼経営コンサルタントが解説します。
今回の記事は、地方銀行の将来性について考察してみます。新型コロナ感染拡大により、地方銀行の将来性はどうなるのでしょうか。[sitecard subtitle=関連記事 url=https://keis-bar.com/s[…]
産業革命時代からの変化
産業革命以降、技術の発展で職業がなくなることは度々ありました。
しかし、新しい職業が生まれ、職を失った人たちが新たな仕事に移行することで、社会は進化してきました。
あなたの仕事がなくなっても、世界は関係なく進み続けます。
AIによる職業の代替
AI技術の進化により、人の仕事がAIで代替される可能性があります。
しかし、これまでと同様に、新しい職業が生まれることで、仕事を失った人々は新たな分野へ移行していくでしょう。
近い将来、銀行員から全く違う分野で働く可能性があります。
AI時代に生き残るための能力
AI時代の銀行員に求められる能力について考察します。
代替可能性が高い職業と低い職業
野村総合研究所とオックスフォード大学の共同研究により、国内601の職業のうち49%がAIで代替できるという結果が出ました。
AIによって奪われる仕事は10〜20年後にはおよそ50%にも及ぶという調査結果が出ています。この記事では、AIによってな…
代替可能性が高い職業は一般事務員や受付係、銀行窓口係、警備員、人事係事務員などです。
逆に代替可能性が低いのは経営コンサルタント、商品開発部員、中小企業診断士などです。
もし、あなたの仕事がなくなる可能性が高いなら、早めに対策を取っておくことが必要です。
もう働きたくないなら関係ありませんが。
銀行業務におけるAIの活用
銀行業務には、代替可能性が高い「データの分析や秩序的・体系的操作が求められる職業」が多く存在します。
例えば、AIで代替が進んでいる海外のファンドマネージャーやトレーダー、融資担当者などが該当します。
AIは既に画像や音声の認識、言語の識別などができるようになっています。
銀行で単純な事務作業に携わっている人の仕事は、あと数年で不要になるでしょう。
AI時代の銀行員の姿
AI時代に生き残るためには、「機械ができることは機械に、人間にしかできないことは人間に」という考え方が重要です。
AI技術の活用によって効率化が進む銀行業務では、人間が持つ独自の視点や創造力、他者との協調やネゴシエーション能力などがますます求められるでしょう。
AI時代の銀行員には、人間性やコミュニケーション能力、柔軟な発想力が重要となります。
また、新しい技術を積極的に学び、自らのスキルセットを向上させる意欲が必要です。
銀行業界が直面する転換期に立ち向かうためには、これらの能力を磨き、AI技術と共存・共創する新たな銀行員像を築くことが求められます。
銀行員はオワコンなのか
以上が、AI時代の銀行員に求められる能力と生き残るための戦略です。
銀行業界は今、未曾有の転換期を迎えており、AI技術の活用がますます重要となっています。
新たな技術を取り入れ、人間にしかできない仕事を重視することで、銀行員はAI時代を生き抜くことができるでしょう。
2017年にメガバンクが約3万人規模の人員削減策を発表しました。40代以上を対象にした希望退職者の募集です。また店舗削減の計画なども各行が相次いで打ち出しています。出典:日本経済新聞 日経電子版:2019年5月20日付[…]